保育コンサルタントの杉江です。

さて今回は、

【今月学童保育開業(開設)について、された質問とその回答の共有】今月学童保育開業(開設)について、頂いた質問とその答えをいくつか共有したいと思います。

という事について話をしたいと思います。

本ブログ(著者・杉江)の具体的な信頼性は以下になります。

  • 保育士を取得後、20年以上にわたり保育事業に従事している。
  • 民間学童保育を創業し、5年間経営者として事業に携わる。(アフタースクール寺子屋 目黒区碑文谷3-1-4-16)
  • 民間学童経営者として、5年間で登録者数2名→100名、通期黒字化を達成する
  • 保育コンサル・研修講師の実績は約5年間で50件ほど:一部上場企業(保育コンサル)/大田区・世田谷区(研修講師)/東京商工会議所(セミナー講師)など企業・自治体・個人問わず多数の経験あり

大変ありがたいことですが、先月ぐらいからブログやTwitterに、学童保育に関するお問い合わせをかなり頂いています。
その中で、実際に面談をしました企業様や個人の方から、たくさんのご相談を受けました。

もちろん個別のご状況のご質問もたくさん頂きますが、ご相談の中で皆さんと共有ができる様なご質問もたくさん頂いています。
今回はその中から抜粋をし、ご覧の皆さんと共有をしたいご質問をいくつか書いてみました。
事業のご参考になりましたら嬉しく思います!

Q.民間学童保育開業に、いくらくらいを考えればいいですか?【A.規模にもよりますが、最低1,000万円〜、1,500万円くらいは必要だと考えます】

 

こちらはよく聞かれるご質問になります。
なかなかニッチな事業になりますので、開業費用にいくらくらい用意すればいいか想像がつかないのだと思います。

まず学童保育開業時の開業費用の詳細については、

【民間学童開業費用一覧】具体的に何にいくらかかるのか詳しくお話します。

のブログに詳しく書いていますので、よろしければご覧くださいませ。

さて私がお答えをするときには、規模にはよりますが一般的なお答えとして、

「最低1,000万円〜、できれば1,500万円くらいはご用意ください」とお答えしています。

理由については、以下になります。

・新年度4月1日に、一年の集客の全てがかかってくるから(そこを逃すと1年間赤字確定)

まず学童保育の事業は学校と同じく、年度単位で動きます。
新規のお客様を集客をしますが、その99%がこの「新年度4月1日」に入るお客様です。
逆に言うと、そこを逃すと新規会員はほぼ入ってこず、その新年度の一年間は赤字が決定してしまいます。

すなわち4月に50万円の赤字が出る様な会員数だと、年間600万円の赤字が決まってしまうという、恐ろしい状況になるのです。
開業当初はネームバリューのあるFCを除き、一年目から潤沢な会員数の集客はほぼ無理だと考えます。
したがいまして、数年の赤字に耐えられる様な開業資金が必要となってきます。

・黒字化に、最低3年間は見て欲しいから

そしてできる限り早く黒字化を達成したいところですが、
私は「黒字化に、最低3年間は見て欲しい」と言う風にお伝えをしています。

それは上記の入会サイクルの中で、最低3回(3年)新一年生の入会を迎えたいからです。

開業初年度の新一年生が新3年生になる年に、ある程度の会員数の確保が予想できます。
そのため、「3年間、赤字に耐えて、黒字化を目指してください」と言う風にお伝えをしています。

最後に、この金額と年数ですが、状況によっては変わってきます。
特に開業費用に関しては非常に小規模の学童であったり、すでに自宅など物件がある場合には大きく金額は下がってきます。
ですので、状況に応じてアドバイスも変わっていきます。

Q.今月11月から準備をして、翌年4月に開設は間に合いますか?【A.厳しいです。むしろ翌年4月開業を目指さず、その半年後の10月開設をお勧めします】

 

こちらも今月に複数聞かれました質問になります。
私個人の結論としては、非常に厳しいという事になります。

一番大きな理由としては、意外かもしれませんが、

「10月1日スタートを推奨しているため」

ということになります。

以下理由を説明します。

前項で、4月1日スタートは非常に難しいという話をしました。
それを回避するために10月1日スタートを推奨しているということになります。

ではなぜ10月1日スタートを推奨するのか?

10月1日スタートの最大のメリットは、半年間運営をしながら宣伝活動ができる事。

数名をなんとかスタート時に集客し、その会員様の保育をしながら、説明会や見学会を徹底的にやり、翌年の4月1日の集客を狙うという事です。

見学者に実際の運営を見てもらいながら、自社の学童の説明をし決めてもらう。
結局この方法が一番有効な宣伝になります。

また、この最初の半年間で、オペレーションに関してもきっちりと質を上げていき、4月1日には質の高いサービスが提供できるようにしておくという点も、大きなメリットとなります。
ですので私はスタート時期については、この様にアドバイスをさせてもらっています。

もちろん、4月1日オープンは、単純に準備期間が短いというデメリットもあります。
これは私自身の起業の際もこの様な状況で苦労し、後から非常に後悔をした事でもありました。

ですのでそう言った意味でも、10月1日にスタートし、余裕を持った準備期間があるほうが望ましいという回答になります。

Q.どのタイプの学童保育を開業するか、考えがまとまりません(学習タイプ・運動タイプ・英語タイプ・一般学童タイプ)【まずは代表者や責任者のやりたいこと、思い入れのあるカリキュラムを。その他は近隣の競合の様子や世間のニーズを見極めて決めていく】

 

こちらも非常に悩まれると思います。

私個人の結論から言いますと、

まずは代表者や責任者のやりたいこと、思い入れのあるカリキュラムを。その他は近隣の競合の様子や世間のニーズを見極めて決めていく。

ということになります。

大前提として、開業したらその事業をやり続けるということになります。
山あり谷ありの経営の中で継続して行くためには、思いのある、好きな事でなければ続かないと考えます。
ですのでまずは、好きなこと、思い入れのあることを内容に組み込んで下さい。

その次に、顧客のニーズに応えた内容を考えて行くこと。

地域の中で、この内容の習い事はないな等のリサーチや、プログラミングや英会話など、世の中的にニーズの高まりがあるものを取り入れて行くなど、戦略的に内容を考えて行く必要があるかと思います。

この両輪で、内容を考えていくことをお勧めしています。

民間学童保育全体のことについては

徹底比較!民間学童保育業界地図】保育のプロが業界全体を比較・分析し、まとめました!

のブログに詳しく書いていますので、よろしければご覧くださいませ。

Q.民間学童保育を行うのに、届出は必要ですか?また、資格の取得も必要でしょうか?【基本的には届出と資格は必要はないです。自治体によっては、補助金は出ないが申請はしてねというところもあります】

 

これは、企業・個人に関わらず一番多い質問かもしれません。

私個人の結論から言いますと、基本的には届出と資格は必要はないです。

認可保育園とは違い、補助金を受け取るわけではないので当然と言えば当然になります。
学習塾と同じイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

実際に私が東京都目黒区に開業した民間学童保育「アフタースクール寺子屋」でも、東京都と目黒区に問い合わせをしたところ、何か届け出の必要はないとの回答でした。

ただし自治体によっては、「民間の学童も把握しておきたいので、できれば簡単な申請をしてね。」と言われる場合もあります。

その際には、自治体とは仲良くなってやって行ったほうがいいので、丁寧に応じましょう。
将来的に自治体の方で宣伝をしてくれる事もあるかもしれないですし、法が整備され補助金制度が確立される場合もあるからです。

以上、最近受けた質問と回答について、詳しくお話をしました。

 

今後も本ブログやTwitterにて、学童保育や保育園・保育事業全般について、随時問い合わせや相談を受け付けています。

お悩みの方はお気軽にお問い合わせ下さい!