保育コンサルタントの杉江です。
さて今回は、【民間学童保育のフランチャイズ(以下FC)】について
のお話になります。
本ブログ(著者・杉江)の具体的な信頼性は以下になります。
- 保育士を取得後、20年以上にわたり保育事業に従事している。
- 民間学童保育を創業し、5年間経営者として事業に携わる。(アフタースクール寺子屋 東京都目黒区)
- 民間学童経営者として、5年間で登録者数2名→100名、通期黒字化を達成する
- 保育コンサルタントとして、5年で50件以上のコンサルティング/アドバイザー/研修講師を務める
昨年の話しなのですが、個人的なご縁があり大手民間学童保育のFC運営(フランチャイジー企業)に携わる経験をしました。
私自身も初めての経験で、色々と感じることがありましたので、本ブログで共有をできましたらと思い、今回ブログに書かせて頂きました。
ではご覧下さい。
目次
【杉江の結論】学童経験者の私(杉江)からするとデメリットが大きい。
いきなり私の結論から入りますが、学童経験者である私からすると、全体的にデメリットが多いと感じます。
まず資金的なお話ですが、開業までに1,000万円単位での資金はかかります。
後述致しますが、FC本部からあらゆるサポートを受ける代わりに、当たり前ですが都度都度コストが掛かってきます。
そのかわり、私か経験をしまして大手民間学童FCでは、信じられないスピードで黒字化に持っていくノウハウを持っていました。
その為、資金的に余裕がある企業様にとっては安心感を買うことはできるという大きなメリットももちろんあります。
しかし、零細企業や個人での加入はそもそも現実的ではありません。
開業までの初期投資に1,000万円単位を投資できる企業が果たして何社あるか・・・?
非常にハードルは高くなってくるかと思います。
また保育内容はもちろん、保護者への説明方法まで基本的には全て本部から決まったものが降りてきます。
保護者への説明に関しては、一言一句決まったものがあり、事前研修でその言葉を覚えないとそもそも勤務ができない形になっています。
ある意味全てが決まっている状況での開業・運営になりますので、それを「全て決まっていて安心」と捉えるか、「全て決まっていて窮屈だ」と捉えるかは、それぞれかと思います。
学童の経営経験がある私としましては、コスト面でもそうですが、運営面での自由度がない部分もデメリットとして感じてしまいます。
・通常かからないコストが都度かかり、なおかつ自由度がない為に魅力は感じない。
・しかし未経験企業で資金があり、内容が気に入れば検討しても良いかも知れない。
以上が私なりの結論になります。
参入をお考えの方は、よくご検討下さい。
【民間学童保育FCとは】学童未経験企業がFC先の看板を借りて、手っ取り早く保育業界に参入し黒字化する一つの手段
さてここで、改めて民間学童保育FCについて考えてみたいと思います。
民間学童保育については過去の私のブログ記事民間学童保育の開業(開設)の仕方でもお話をしておりますが、現時点では一部を除き基本的には自治体への届出や審査などは必要ありません。
ですので、開業自体する事自体にはコストはかからず、許諾もいらないということになっております。
そこでなぜFCを選択する企業は選択をするのか…?
タイトルにも書きましたように、「学童未経験企業がFC先の看板を借りて、手っ取り早く保育業界に参入し黒字化する一つの手段」という事に尽きると考えます。
ここまでも書きましたが、学童保育といえども、いわゆるコンビニなどのFCと基本的には同じです。
加盟料の支払いから始まり、スタッフ研修、マーケティング料、教材提供料など何かある度に都度本部に支払いが発生する。
そして開業後も売上の数%を本部に支払い続ける。
それでも加入する理由としては、「看板を借りる」という事で、「黒字化までの期間を短縮する事ができる」に尽きるかと思います。
開業までに、1,000万円単位のコストが発生しますが、それを安いと捉えるか高いと捉えるか…
よくよく検討いただく必要があるかと思います。
【民間学童保育FCのメリット・デメリットについて】メリット:学童未経験企業でもFC先の看板/デメリット:1,000万円単位の初期投資と本部コスト。運営の自由度がない。
上記でも述べて来ましたが、ここで改めて民間学童保育FCのメリット・デメリットをまとめました。
タイトルにも記載しましたが、以下になります。
・メリット:学童未経験企業でもFC先の看板を借りて、手っ取り早く保育業界に参入し黒字化の可能性を高める
・デメリット:一千万円単位の初期投資、開業後も毎月かかる本部コスト。また本部の意向が強く運営の自由度がない。(やる事が決まっている)
以上になります。
基本的には読んで頂いた通りになりますが、メリット面について、体験した私から少し詳しくお話をしたいと思います。
とにかく私が関わらせて頂き、実際に研修や運営などに参加した感想は、とにかく「徹底的にやるんだな」という事です。
理念の浸透から、具体的なカリキュラム内容まで、今までの蓄積されたノウハウから作成された経験を元に、とにかく徹底的にやるんだなということを強く感じました。
施設長の研修に関しては、約1ヶ月間をかけて毎日研修を行います。
本部の理念浸透から、カリキュラムの説明、入会面談の練習など、その全てにテストがありそれら全てに合格をしないと働く事ができません。
後半は実地研修という事で、実際の直営店で働きながら経験を重ね、そこでも毎日テストがあります。
こうした例の通り、素人の方でも、施設の責任者として働けるような仕組みが完成されています。
またカリキュラム自体も、今までノウハウが詰まった教材が毎日送られて来ていました。
それを正確に行うだけで毎日利用者が満足するようなカリキュラムが年間を通して送られて来ます。
正直、これは凄い事です。
未経験の方にはとてもハードルが高い上記の事が、全て本部から提供される…これがFCのメリットの詳細になります。
逆に、上記のメリットについて全てご自身でやれる自信があれば、FC加入する必要は全くありません。
数千万円の経費が浮き、運営内容は全て自由です。
ご自身の夢を全て詰め込んだ、理想の学童保育にチャレンジできます。
最初にも書きましたが、私個人の結論としましては、夢や思いの部分は非常に大切であると考えますので、どう言った選択をするからお一人お一人の考え方次第になります。
以上、上記のまとめが少しでも参考になりましたら嬉しく思います。
【まとめ】内容をよく理解し、メリット・デメリットを考え参入を検討するべき
では最後のまとめです。
当たり前の話になりますが、何事にもメリット・デメリットはあります。
現在のご自身の立ち位置や、経験、人脈などをよく考え、選択をして頂けましたらと思います。
特にFC加入となると多くの予算が必要になります。
加入前によく考え、加入をご検討頂くことをお勧めします。
FC側の企業も商売ですから、基本的にはメリットしかお伝えしない可能性が高いです。
しかし甘い言葉に溺れず、よくお考えの上ご加入ください。
ここまでお読み頂きましてありがとうございました。
皆様の事業の健闘をお祈り致します!