保育コンサルタントの杉江です。
さて今回は、【学童保育市場の現状並びに、学童保育市場の今後の展望についての考察】をお話をしたいと思います。

本ブログ(著者・杉江)の具体的な信頼性は以下になります。

  • 保育士を取得後、20年以上にわたり保育事業に従事している。
  • 民間学童保育を創業し、5年間経営者として事業に携わる。(アフタースクール寺子屋 目黒区碑文谷3-1-4-16)
  • 民間学童経営者として、5年間で登録者数2名→100名、通期黒字化を達成する

私事になりますが、数年前から個人でコンサルティング業務を行なっていて、今まで約50件程のクライアントからご依頼を頂きました。
その中で断トツで多かったのが、

「保育の専門家として、保育市場の現状と今後の展望を聞かせて欲しい」

というリクエストでした。

ですのでこのテーマは知りたい方が多いのではないかと考えまして、更に今回は私の専門である学童保育に絞り、お話をして行きたいと思います。

今回はあくまで私なりの個人的な見解となりますので、そちらをご理解頂き、ご参考にして頂けたらと思います。

ちなみに、民間学童保育業界の全体の考察について知りたい方は、

【徹底比較!民間学童保育業界地図】保育のプロが業界全体を比較・分析し、まとめました!

のブログにて詳しく書いていますので、よろしければご覧くださいませ。

という事でお話をして行きたいと思います。

学童保育市場の現状は?【全国学童保育連絡協議会のWEBサイト、並びに矢野経済研究所の学童保育市場データを見る事でかなりの事が分かります】

 

私も何度も依頼を受けるたびに色々と学童保育市場の現状について調べてきましたが、
それらを知るときには以下の二点を抑えればかなりの事を知る事ができます。

・全国学童保育連絡協議会のWEBサイト

・矢野経済研究所の学童保育市場データ

以上になります。
順番に説明します。

1・全国学童保育連絡協議会のWEBサイト

全国学童保育連絡協議会ウェブサイト

http://www2s.biglobe.ne.jp/Gakudou/

普通の方はこちらのお名前は聞いた事が無いかと思います。
こちらの団体はどういう団体かと言うと、ウェブサイトによりますと、

「 全国学童保育連絡協議会は、学童保育の普及・発展を積極的にはかり、学童保育の内容充実のための研究、国や自治体の施策の充実、制度化の運動を推進することを目的として、保護者と指導員が1967年に結成した民間の学童保育専門団体です。」

という内容が書かれています。
毎年学童保育について、全国的に様々なデータを集めて発表をし、学童保育の発展を支えてくれている団体になります。

・入所児童数

・待機児童数

・施設数

などが学年別や県別に調べられており数値化をして下さっています。
学童保育の現状について更に細かく知りたいと言う方には非常に参考になるかと思います。

ただしこちらは基本的には公設公営、公設民営の学童保育の基本の数字となっている様で、民間学童保育の数値まではまだ調べておられない様です。
(ちなみに私は7年間民間学童保育をやりましたが、過去一回も連絡はありませんでした)
まずは学童保育の事を全体的に学びたいという方は、是非見て頂けたらと思います。

2・矢野経済研究所の学童保育市場データ

矢野経済研究所 学童保育市場に関する調査結果2015

https://www.yano.co.jp/press/download.php/001413

私がネット上で色々と探してみた結果、「学童保育市場」についての詳細なデータを出しているのは、こちらの矢野経済研究所のデータしか今の所見た事がありません。
私の中では唯一の市場データのグラフとなっています。

少々古いデータですが、今後を予測するにはとても意味のあるデータだと考えます。
ご興味のある方は是非ご覧になってみて下さい。

学童保育市場の個人的な今後の予測【保育園市場と連動していると考え、今後数年は拡大をしていくと考えるが、数年後をピークに縮小ていくと予想します。】

 

現在保育園では、特に都心部を中心にまだまだ待機児童数が多く、過去施設数や利用者数は伸び続けています。
今後も数年は都市部を中心に伸び続け、その後は少子化の影響を受け縮小をしていくと考えています。

そして学童保育も基本的には利用者の層が同じになりますので、同じような道を辿っていくものと予想します。
すなわち、後数年は伸び続け、その後は縮小を辿るという流れが考えられます。

ただし、保育園と違うところは、補助金の制度がまだ整っていないので、もし将来的に補助金の制度か整えられた時に、伸び代は保育園よりあると考えています。

ちなみに大まかな市場規模で言いますと、

・保育サービス市場規模…3兆3,500億円(2019年予測)

・学童保育市場規模…3,000億円(2015年予測)

ということになります。

※矢野経済研究所調査結果より引用

こうして比較をしてみると、学童保育の方が伸び代は感じられるかなと思います。
現時点では、補助金に関してどの様な形になるかは全くわからないのが現状です。

まとめ【市場は将来は縮小すると考える。しかし無くなる訳ではないので、生き残る学童は生き残る】

 

という事でまとめですが、市場を考えるとこの学童保育の市場は数年後には縮小が始まると考えます。

しかし、完全になくなることはないので、良い学童保育は生き残り、これからも地域の皆様に愛されて事業を継続していくことができます。
逆に選ばれない学童保育は、これからどんどん淘汰をされていくでしょう。

これから開業をお考えの方、もしくはすでに開業をされている方は、これから淘汰されないよう日々サービスを磨いて愛される学童保育へと育てていきましょう。

私はそのチャレンジをされる方の応援団になり、少しでも助けになれれば嬉しく思います。

頑張って下さい!