新年が明けまして、一回目の投稿となります。
まだまだ世界的に大変な状況が続いておりますが、そんな中でも頑張ってくださっている保育関係の皆様や、これから保育事業を起業しようとお考えの方に、少しでも役立つ様なブログを書いていきたいと思います。
改めまして、本年もどうぞよろしくお願い致します!
さて今回は、
【元・民間学童保育経営者の恥ずかしい失敗を公開!】開業・運営・経営でしくじったこと
という事について話をしたいと思います。
本ブログ(著者・杉江)の具体的な信頼性は以下になります。
- 保育士を取得後、20年以上にわたり保育事業に従事している。
- 民間学童保育を創業し、5年間経営者として事業に携わる。(アフタースクール寺子屋 目黒区碑文谷3-1-4-16)
- 民間学童経営者として、5年間で登録者数2名→100名、通期黒字化を達成する
突然ですが私は特に経営者時代に、数々の失敗をしました。
同業者のなかでは、失敗数では負けないくらい、しくじったことを思い出します。
人気のテレビ番組もあるように、人間は成功の話よりも失敗に話に共感をしますし、きっと参考になるかと思います。
失敗談を一からお話することは正直非常に恥ずかしいのですが、皆さんのお役に立ってもらいたいと思い、ブログで書きたいと思います。
以前のブログ、
これをすると起業失敗!〜保育事業の起業で失敗する確率が高まること8選〜
と合わせてご覧いただくと良いかと思います。
ということで今回は具体的に開業前、そして開業後の、私の経験した失敗談をいくつかお話ししたいと思います。
目次
開業前編①:集客を甘く見ていた【スタート時の登録人数二人。開業のスタート奪取に失敗する】
いきなり最大のしくじりをご紹介します。
結論から言いますと、開業時の集客作業を甘く見ていたため、スタートダッシュに失敗をしてしまった話しになります。
起業時、私は16年の現場のキャリアがあり、運営やカリキュラム内容には大きな自信がありました。
そのため、開設準備時、自信満々で準備を重ねていました。
しかし民間施設は初めてのことだったので、今考えてみると集客のことを甘く考え、内容や運営のことに意識を取られていたと思います。
集客をすることの重要さや厳しさを、この時はまだ気付いていなかったのです。
そんな中で開設初日・・・登録児童が二人、登室児童が一人。
・・・私の伸びた鼻が、ポキっと折れた瞬間でした。
もちろん、何者でもない私たちの学童に初めにご登録を頂きました会員様には、心から感謝しています。
しかし、このままではこの学童がつぶれてしまう。
この時から一年後の4月にはたくさんの方に入っていただける様に、自分の行動を変えました。
この後結果は少しずつ出始めて黒字化を達成する事ができるのですが、
改めて集客の厳しさ、重要性を学んだ出来事でした。
開業前編②:料金設定を怖がってしまった【怖がった結果、きちんと高い料金をつけることができなかった】
結論から言いますと、料金を上げるとお客様が来なくなってしまうのではと言う恐怖に負け、料金を上げきれず利益率を下げてしまったお話になります。
創業時、決断について非常に迷ったことの一つが「料金」についてでした。
同業他社を研究し、自身の損益を計算した結果、高目の料金設定で行くことを決めました。
その中で、どの程度高く設定するのか、この部分で非常に迷いが出てしまいました。
結果、自信を持てずに検討範囲の一番安い料金設定にしていました。
一見、お客様からしたら大変ありがたい決定と言う風に見えます。
しかし経営からしたら会社の存続に関わる決定で、弱気にしてしまったが為に、利益率を大きく下げてしまう結果となってしまいました。
その後思い直し反省して、勇気を持って料金の値上げを2回断行することになりました。
その料金は、大手含め地域で最高値。
名もなき学童が最高値を設定した時に、怖さで震えました。
その結果、非難の声も頂いたり、退会する方もいらっしゃいました。
非常に厳しい状況にありましたが、その分質の高いサービスの提供を固くお約束し、利益率を上げる事で会社を継続する事ができました。
改めて、小さな会社の戦い方はこうなんだと考えることができた、貴重な経験になりました。
開設後①:ようやく黒字化できた瞬間、油断してしまった【油断した結果経営が甘くなり、翌年きっちり赤字に】
結論から言いますと、経営者としてのちょっとした油断や奢りが、経営全体に悪影響を及ぼし赤字転落してしまった話しになります。
こちらも経営者として非常に恥ずかい失敗になります。
開業後から本当に苦労に苦労を重ね、優秀なスタッフと講師の先生方のお陰で、5年で初めて黒字化を達成する事ができました。
さあここから、更に成長をしていきたいと言う所ですが、私がその時に代表として思っていた事は以下になります。
「ようやく黒字化できたから、ここらで一息つくか!ポスティングは大変だから一旦やめて、説明会も疲れるから数を減らしてその分ゆっくり休もう。多分このまま右肩上がりに売上は上がると思うし、大丈夫でしょ!」
・・・今思うと、本当にお恥ずかしい。
当時の私にとってはほんの少しだけ、一息つきたいと思っていたつもりでいました。
しかし結果として、翌年はきっちりと赤字に転落。
本当にショックでしたし、自分への情けなさを感じ大いに反省をした次第です。
それを受け翌年は心を入れ替え、説明会の数を以前より増やし、ポスティングもほぼ毎日自ら一年間行うなど、徹底的に集客に力を入れると覚悟を決めて経営にあたりました。
その結果、新規会員数、売り上げともにV字回復する事ができました。
この時に感じた事は、改めて見えないところでの経営者の覚悟が、経営全体に大きく影響するのだということでした。
私にとっては、本当に良い経験になりました。
開設後②:全く当たらなかった新サービス【キッズフォトサービス:数ヶ月で利用者ゼロ】
結論から言いますと、思いっきり気合を入れて始めたサービスだが、世の中のニーズを掴めずに大きく空振りをした話しになります。
経営者当時何とか経営を軌道に乗せようと、様々なサービスを行いました。
その中で、利用者の皆様にヒットし大きく利益に寄与したサービスもある一方、全く空振りに終わったサービスがほとんど。
その中でも壮大に空振りをしたサービスをご紹介します。
それがキッズフォトサービス。
学童保育が営業していない土曜日、フォトスタジオとして学童を使ってもらおうと始めたサービスになります。
知り合いのカメラマンとも協業し、カラーのチラシと専用のWebページも作り、やる気満々でサービスを開始しました。
結果から言いますと、数ヶ月の稼働期間お客様はゼロ、すぐに撤退をしました。
敗因としては、地域にそのようなニーズがなかったことと、私のフォトスタジオ運営の勉強が足りなかった事が挙げられるかと思います。
自分の気持ちだけ先行させてしまい、準備が不足していたなと今振り返ると感じています。
最低限の金額ではありましたが、会社にも余計なお金を使わせてしまい、また従業員たちにも負担をかけてしまいました。
本当に反省しています。
やりたい事を始める事は重要ですが、それが本当に市場に求められているかの研究、そしてそれまでに入念な準備や勉強をしているのか、その重要性に気付かされた経験でした。
以上になります。
最初にも言いましたが、自分の失敗を晒すことは本当に恥ずかしいです・・・。
でも、ご覧になっている皆さんは私の失敗を是非生かして、事業を成功に導いてください。
恥ずかしながら失敗のコツを言いますと、「小さく・何度も」失敗をすること。
失敗の数=チャレンジをした数だと思いますので、チャレンジをしたことに対しては自分を誇りに思いますし、皆さんにも是非たくさんチャレンジをしてもらいたいと思います。
日本では、失敗した人は「失格者」の烙印を押される事が多いかと思います。
でも欧米諸国では、むしろチャレンジをした事が評価され、尊敬を集める存在になるそうです。
最後に以前のブログにも書きましたが、私の好きな元プロ野球監督の故・野村克也さんの言葉。
勝ちに不思議の勝ちあり
負けに不思議の負けなし
負けを知った人間こそが、強く生き残っていくと信じています。
頑張ってください!