保育コンサルタントの杉江です。
さて今回は、
【保育園・学童保育のチームマネジメント】保育事業のリーダーがチームマネジメント時に持つべきマインド5選
について話をしたいと思います。
本ブログ(著者・杉江)の具体的な信頼性は以下になります。
- 保育士を取得後、20年以上にわたり保育事業に従事している。
- 民間学童保育を創業し、5年間経営者として事業に携わる。(アフタースクール寺子屋 目黒区碑文谷3-1-4-16)
- 民間学童経営者として、5年間で登録者数2名→100名、通期黒字化を達成する
- 公立、民間含め、学童保育にて7年間管理職を務める。
ではまずは本テーマの結論です。
保育事業のリーダーがチームマネジメント時に持つべきマインド5選の結論
①【平等】
②【清潔感】
③【包容力】
④【コミュニケーション】
⑤【利他の精神】
以上になります。
まずは大前提として、保育という仕事はチームで行い、結果を出していく仕事です。
ですので保育園や学童保育のリーダーは、現場のチームをまとめ、働きやすい観客を作り、成長の機会を提供して結果を出して行かなくてはなりません。
そして保育の仕事は基本的には女性中心のチームで仕事をする事が多く、非常に独特な環境にあります。
そこで今回は、これから保育事業を行おうとしている方や既にされている方、あるいは他業種でも女性中心のチームのリーダーとして仕事をされる方に向けてのブログになります。
なお本テーマは男女の違いにだけスポットをあてて考察したり、どちらかの性別に対して批判や意見をする目的ではありません。
あくまでも私が過去に保育事業のリーダーとして仕事をしてきた中での、感じたことや上手くいったこと、失敗談からの個人的なお話になります。
ご承知おきください。
そして、本テーマは、保育園・学童保育のリーダーが、チームマネジメント時に必要なマインド的なお話になります。
リーダーが実践すべき具体的なマネジメント方法についてはこちらのブログ、
保育園長・学童施設長(主任)がやるべき事【杉江流・保育施設のリーダが実践すべきマネジメントの基本】
をご覧下さい。
目次
①【平等】従業員を大切に思っているという最大のメーッセージ
最初に、私が本テーマで一番重要だと考えている事を言います。
それが「平等」です。
何も女性に限ったことではないのですが、私がリーダーとして必要な事では、これが一番重要だと考えます。
そして保育の知識や経験などももちろんあった方が良いと思いますが、私はこの平等な心の方が何倍も重要だという考えです。
化学的な根拠などはなく完全に私の肌感ですが、もし少しでも従業員が平等ではないと感じてしまったとしたら、その多くの場合はモチベーションを下げてしまうと思います。
この平等という事で考えの一番の核になるのは、「皆さんひとりひとりがとても大切な存在である」という事です。
色々な性格や考え方の従業員や部下がいる中で、それぞれが悩んだり努力したりしていると思います。
そこには当然、差異があったり温度差もあります。
それら全てを受け止めますよという、リーダーからのメッセージがこの【平等】だと言う風に思います。
エコ贔屓などはタブーなのは当たり前ですが、私自身リーダーとして絶対にこの【平等】は守っていました。
ご覧の皆さんも、ぜひ参考にして頂けたらと思います。
②【清潔感】女性は特に、身だしなみを見ています
これはマインドとは少し離れてしまうもしれませんが、保育事業のリーダーとして絶対に【清潔感】は必要な事であると考えます。
これも特に女性が非常に気にしている所だと思いますが、見た目の清潔感や身だしなみについては特に気をつけて頂きたいです。
特に男性リーダーの場合は、
・髪型
・服装
・ひげ
・鼻毛
・フケ
・体臭
これらは特に気をつけたい所です。
これは例えば高い服を着なければならないとか、高い美容院で髪型をセットしなくてはならないということではありません。
高くない服でも襟が汚れていないとか、シワがないとか、そう言った当たり前のことを守っていくことが重要であると考えます。
ここで昔聞いた、サッカーなでしこジャパン元監督の、佐々木則夫さんの話が非常に興味深かったのでご紹介します。
なでしこジャパン監督に就任した際に、自身の奥様にまず言われた事がありました。
それは、「鼻毛が出ないようにする事」
奥様曰く、
「どんなに仕事ができる人でも、鼻毛ひとつ出ているだけで女性社員の信頼と尊敬は減ってしまう」とのことでした。
佐々木さんは毎朝、鏡前で自身の顔や服装の入念なチェックを怠らなかったそうです。
当時の私もこの話を聞いて大いに共感し、日々の仕事にあたっていました。
③【包容力】厳しい保育の現場において、リーダーには持っておいてもらいたいです
こちらも保育事業のリーダーにとっては必要不可欠なマインドであると考えます。
【余裕】と置き換えてもいいかもしれません。
保育の現場はもちろん楽しくエネルギーに満ちた場所ではあると思いますが、同時にとても厳しくシビアな現場です。
大切な命をお預かりし、子どもたちの成長に寄与する大変責任のある仕事なので、当然従業員にはストレスがかかっています。
そうした状況の時に、リーダー自らイライラしていたり、ピリピリとした雰囲気であったら現場は更に悪い雰囲気になり良い保育ができません。
特に何かミスやトラブルがあった時、リーダーにも大きなストレスがかかります。
しかしそういった時に、リーダーとしての資質が問われるかと思います。
リーダー自身にストレスがあったとしても、まずは包容力を持って、リーダーの周りだけでもリラックスした雰囲気を作り上げる努力をしていきたいものです。
もし施設がとてもピンチな状況に陥ってしまったとしても、リーダーが何食わぬ顔でササッと解決をすることができた場合、従業員の方々はあなたに大きな信頼を覚えると思います。
そして、「このリーダにーついていきたい!」と思ってもらえるようになり、ぐっとチームの結束力が高まります。
そういった状況を作り上げるためにも、ぜひ頑張って頂きたいです。
また、もちろん従業員ひとりひとりの存在を受け入れるという意味での【包容力】も絶対に必要です。
そうする事で、チームの雰囲気も良くなり良い保育ができることに繋がってくるかと思います。
リーダーの方にはぜひこうした努力を続けて頂きたいと思います。
④【コミュニケーション】保育の仕事ではコミュニケーションが不可欠です
どんな仕事でもそうだと思いますが、特に保育の仕事はこのコミュニケーションが欠かせません。
危険が無いかの確認や引き継ぎ、申し送りなど、仕事中のコミュニケーションはもちろんの事、保育の現場以外でも非常に重要であると考えます。
そしてリーダーの仕事としては、そのコミュニケーションを取りやすい雰囲気や環境を作る事だと思います。
そうする事で子どもたちの安全性が高まり、保育の質が上がることは間違いありません。
また現場以外でも、リーダーにとって従業員や部下とのコミュニケーションは非常に大切です。
日々の挨拶や相談に乗る事、マンツーマンの個人面談など、リーダーはコミュニケーションを取る状況は様々あります。
もちろんそこには、【平等】や【包容力】を持ってコミュニケーションを取ってください。
具体的には、
・毎日必ず全員と挨拶を行う
・その際、他愛もない談笑をする
・相談があった場合は自分の仕事を差し置いて全力で乗る
・年一回は必ず全員とマンツーマンの面談を行う
など、現場が円滑に回り、従業員が安心して働くことができる環境を作っていってもらいたいと思います。
本当に骨の折れる作業になりますが、リーダーの方には是非実践をしていただきたいです。
⑤【利他の精神】まずは従業員、部下のことを考える。自分の事は後回しで
皆さんは、【利他】という言葉を聞いた事はありますか?
簡単にいうと、「相手(他人)の利益を重んじ、自己を捧げる心構え」
ということになります。
元々はフランスで出てきた概念だそうで、それが日本に入ってきた時に、仏教用語である「利他」という言葉が当てられたとのことです。
ちなみに反対の用語は「利己」になります。
リーダーはまさに、この考え方を実践していくべきだと心から思います。
私はリーダーの評価というのは一番最後の最後に来ると思っています。
普段はとにかく従業員の事、部下の事を優先し、働きやすい環境を作るために常に努力をする。
それを半年、1年、3年と続けていき、皆がそれぞれ活躍をすることができた場合、従業員や利用者の方から
「あのリーダーのお陰で素晴らしい施設になっている」
という評価を頂けるということになります。
たまに聞くお話で、
「何もしなかった上司が、最後に部下の手柄を取り上げて、昇進していく」
というような事を聞きます。
当たり前ですが、そういった事は絶対にしてはいけません。
何か成果が出たり利用者からの評価を得た場合には、
「これは皆さんの努力のおかげですよ。私なんか何もしていません。」
と、迷いなく従業員に言うことができるか?
それは常に謙虚な気持ちで仕事に取り組んでいるか、にかかっていると思います。
常にそうしたマインドになれているか、そこにリーダーの資質が問われているかと思います。
最後に、元首相である竹下登さん(ウィッシュでお馴染み、DAIGOさんのおじいちゃん)の言葉を紹介します。
「汗は自分でかきましょう。手柄は人にあげましょう。そしてその場で忘れましょう」
まさに利他の精神を表す言葉ですね。
心に留めておいて頂きたい言葉になります。
以上になります。
保育のリーダーというポジションは、とても大変でストレスが掛かるかと思います。
施設長・経営者の経験した者として、痛い程良くわかります。
ですがとても責任のあるポジションになりますので、絶え間ない努力・自己研鑽は欠かせません。
本ブログがそんな皆さんの一助になりましたら嬉しく思います。
頑張って下さい!