保育コンサルタントの杉江です。

さて今回は、

【最新・民間学童保育ビジネスの未来】2024年以降の民間学童保育ビジネスの展望ついて、元学童保育経営者が解説します。

というテーマでお話をしたいと思います。

本ブログ(著者・杉江)の具体的な信頼性は以下になります。

  • 保育士を取得後、25年以上にわたり保育事業に従事している。
  • 民間学童保育を創業し、5年間経営者として事業に携わる。(アフタースクール寺子屋 東京都目黒区)
  • 民間学童経営者として、5年間で登録者数2名→100名、通期黒字化を達成する
  • 保育コンサルタントとして、6年で60件以上のコンサルティング/アドバイザー/研修講師を務める

学童保育事業へ参入を検討されている方へ、参考になれば幸いに思います。

ということで、今回のブログの結論は以下になります。

結論「これからの民間学童保育開業・運営は、自治体と組んで開業・運営を目指すべき」

ではこれから理由を説明していきます。

【現在学童事業に参入(開業)を考えている事業者は、補助金を出す自治体と組むことを念頭におく】

私ごとですが、今年に入りとある仕事で4月5月と学童保育開業に携わりまして、その際自治体の方とも密にやり取りをしていました。そこで感じたことは、昔に比べて学童保育に補助金を出す自治体が増えているなということ。
自治体が積極的に民間事業者に補助金を出してでも、学童を開業・運営してほしいと考えている自治体が多いなと感じます。

すなわち、今後は学童保育ビジネスへの参入のメリットが大きくなっているといううことであり、リスクが少なくなっていくということになります。

ですので、もし開業を考えている地域が決まっているのであれば、その地域の自治体にまずは相談に行くことをお勧めします。
そして、また地域が決まっていないのであれば、まずは自治体に相談をして、積極的に学童保育への補助金を出している自治体での開業をお勧めします。

開業に関しましては、過去のブログでまとめてありますのでご覧ください。

民間学童保育を自宅開業する方法

民間学童保育を自宅開業する方法

【民間学童の開業(開設)時には必須!】民間学童の開業(開設)時に、最低限必要な備品・設備の一覧 

ではなぜ、補助金を出す自治体が増えてきているのか、私なりの考察をお話ししたいと思います。

少し前の話になりますが、2016年2月15日にとあるサイトに投稿された、「保育園落ちた日本死ね!!!」という投稿を覚えている方も多いかと思います。
これは、とある保活をしている一般の方が、待機児童問題を強烈に批判する内容の記事で、その後国会でも取り上げることになったりと大きな反響を呼びました。

その時(2016年)の保育園に入れない子どもたちが現在は保育園を卒園し、小学生になっているということが理由であると考えます。

現在も当然その当時保活をされていたご家庭のご両親はバリバリ働いていおり、結果預け先が必要となり、学童保育の需要が昔に比べ大きくなっているということが予想されます。
保育園の需要が、そのまま学童へ移動している状況になっていると考えることができます。

ちなみに少しインターネットで調べてみたところ、昨年TBSがこんな記事をあげていました。

2023年3月
「保育園落ちた日本死ね」から7年…「学童落ちた」SNSに投稿相次ぐ “留守番の練習”を提案する自治体も【news23】
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/366444

参照:TBS

以上の事から、ここ数年で学童保育が不足している状況になっていると予想され、自治体としても問題解決のために民間に補助金を出し始めているのではと考えます。

【需要がない時は自ら需要を掘り起こし自治体に提案する】

では続きまして、開業したい地域の自治体に「補助金制度はない」という時でも、補助金を引き出す方法について考えていきたいと思います。

それは、タイトルにもありますように、「自ら需要を掘り起こし自治体に提案する」ということを実行するということになります。

その自治体の小学生の数に対する学童保育の数、その学童保育の待機児童の状況、それらをご自身でもリサーチしていくとともに役所へ何度も通い、情報交換を行なっていきながら補助金の拠出についても提案していくということになります。

具体的なリサーチ方法としては、

・自治体が公開している数字を収集し、分析、まとめて提案書を作る。
・御社が事業を行っている地域での開業を検討している場合には、自社の社員や地域の方に学童保育の状況を聞いて、情報を収集する。
・保護者のふりをして施設へ連絡し、情報を収集する(怪しまれない程度に)
・自社の地域以外の地域には、インターネットで調べた後直接全国の自治体に連絡をし、補助金の状況を聞く。その情報を表にまとめ戦略を立てる。

以上のように実行していく必要があります。

また裏技的な方法としては、その地域での有力者(地方議員や名士)との繋がりがあれば、その方々からお願いをしてもらうという方法もあります。

ただこちらも、あからさまな利益誘導のようなことはできないかと思いますので、依頼する場合には注意をお願いします。

【カリキュラムは、小学校の学習過程と連動した内容を提供】

続いては、根本的なお話です。

仕事柄私は学童関係者から質問を受けることが多いのですが、その際の上位に来る質問が「どのようなカリキュラムを提供すれば良いか?」というものになります。

その際私の答えとしては、タイトルにもある「小学校の学習過程と連動した内容を提供すべき」ということになります。

具体的には個人的な意見として

・英語
・プログラミング
・非認知能力

以上の三点が重要であるとお伝えをしています。

理由としては、

・英語
→小学校の必須科目となったから

・プログラミング
→小学校の必須科目となったから

・非認知能力
→近年より保育園と小学校との連携が強化し始めているから。保育園ではここ最近は特に非認知能力の強化をしているところが多い。

以上の理由から、私は毎回のこ三点をお勧めしています。

保護者たちが学童に期待することも年々レベルが上がってきており、その中でも「勉強面」に対する期待も高まっています。
正解はないのですが、これからの時代は「学校教育に合ったカリキュラム提供」が求められると個人的には思います。

上記のようにいくらリサーチや営業を行っても、学童保育の内容がお粗末なものであればそもそも信頼を得ることはできません。
また仮にうまく開業を行ったとしても、児童が集まらなければいくら補助金制度があっても廃業となります。(下記参考資料参照)

ですので、どのようなカリキュラムを提供していくのかは、とても重要なテーマとなります。

【参考資料・とある自治体の補助金制度の実例】

最後に参考例として、自治体の学童保育の補助金についての要項を載せておきます。

あらかじめお伝えをしておくと、こちらは現在も有効かどうか、募集をしているかどうかはわかりませんが、民間学童保育の開業をお考えの方には参考になるかと思います。
参考資料として、ぜひ戦略を立てる上で参考にしてみてください。
(お勧めをしているわけではなく、あくまでも参考資料として載せさせて頂きます。)

参照:埼玉県放課後児童健全育成事業費補助金交付要綱 より抜粋
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/211667/r4houkago.pdf

以上になります。
参考になれば幸いです。

では、学童保育事業参入をご検討の方、頑張ってください!