保育コンサルタントの杉江です。
さて今回は、【民間学童保育のブランディング(ブランドの構築)について】をお話をしたいと思います。

本ブログ(著者・杉江)の具体的な信頼性は以下になります。

  • 保育士を取得後、20年以上にわたり保育事業に従事している。
  • 民間学童保育を創業し、5年間経営者として事業に携わる。(アフタースクール寺子屋 目黒区碑文谷3-1-4-16)
  • 民間学童経営者として、5年間で登録者数2名→100名、通期黒字化を達成する

7年前私が創業し、5年間代表を務めた民間学童保育『アフタースクール寺子屋』は、目黒区碑文谷地域において、次のような存在です。

・『アフタースクール寺子屋』という学童保育がある事を多くの地域の方々が知っている。

・『寺子屋さん』と地域の人たちから呼ばれている。

・地域の色々な保育園の保護者間で話題に上がり、選択肢の一つとして認識をされている。


・『行きたいけど料金が高い学童なんでしょ?』と地域の子どもたちから言われる。


・『英語・そろばん・書道をピンポイントで習いたかったんです!』と保護者の方に言われる。


・『挫折せずに勉強が楽しくできていて嬉しいです』と保護者の方に言われる。


・『いつもスタッフが要望を叶えようとしてくれるので、とてもありがたいです』と保護者の方に言われる。

以上は実際に私自身が見聞きした事の一部です。
これが、このように地域の方々や利用者に思われているんだという指標になりまして、現在アフタースクール寺子屋の『ブランド』になっています。

7年間学童保育の運営を続けた結果、この様なブランドが地域の中で浸透していったということです

では私が経営者としてどの様な方法でブランドを作り上げてきたのか、お話しをしたいと思います。

 

民間学童保育のブランド構築の方法【近道は無し。毎日の保育サービス、要望への向き合い、新しい価値の提供(新サービスの発掘)が重要。】

 

結論から言いますと、

ブランド構築に近道無し。筋トレと同じです。

具体的には以下の三点になるかと思います。

・毎日毎日、質の高い接客・サービス提供を続ける。

・毎日様々受ける要望を受け止め、常に改善できるものはないかと探り、改善を繰り返す。

・常に新しい価値を提供する事を考え、思い付いたサービスをどれだけ提供し続けるか?

順番に説明します。

・毎日毎日、質の高い接客・サービス提供を続ける。

結論ですが、ブランド構築の基本はこの毎日のサービスの質になります。
この毎日の質の高いサービス提供により、ブランド構築が始まると言うことです。

当たり前ですが、絶対に手を抜いてはいけません。

挨拶・電話対応から始まって、日々の保護者との雑談・子どもたちへの保育・連絡帳の記入・怪我や病気の対応など…
学童保育としての基本部分を毎日丁寧に行う事から、全てが始まると考えます。
筋トレの如く毎日頑張りましょう。

・毎日受けるご要望を正面から受け止め、常に改善できるものはないかと探り、改善を繰り返す。

学童保育を運営していると、保護者の方たちから様々な要望を受けます。
中には到底無茶な事や、自社にとって厳しい指摘とともにご要望を頂くことも少なくありませんが、まずは受けた要望を真正面から受け止める努力をして下さい。

特に厳しい指摘を受けると心が折れそうになる時もあるかと思いますが、
そう言った厳しい意見の中にきらりと光るヒントが隠されていることが非常に多いです。

その意見を検討し、利用者と事業者双方にとって良い対応をできた時に、利用者である保護者の方の信頼度が上がります。

また難易度が高い要望についても、一度検討をしてみる事をお勧めします。
その姿勢を見せる事自体、利用者の信頼度が上がるきっかけになるからです。

開業後は、とにかくその繰り返しです。
常に要望はないかアンテナを張り、すぐに対応できるよう柔軟な姿勢でいることが重要であると考えます。

ちなみに、私が創業をしたアフタースクール寺子屋の新サービスの例を一部挙げてみます。

・『朝延長の開始時間を早めて欲しい』
→8:00オープンを7:30オープンに変更

・『下の弟・妹のお迎え、保育を寺子屋で行って欲しい』
→兄弟シッターサービスをスタート。学童スタッフが保育園・幼稚園へのお迎え開始。


・『2年生になったら、英語のレッスンに書くレッスンも入れて欲しい』
→英語中級クラスの創設

などを後から始めました。

これらを行う事により保護者様はサービスに満足でき、我々は更にサービスの質を高めるきっかけを頂き、成長する事ができました。

始めるのもサービスを継続するのも中々大変でしたが、今ではご要望を頂いた事を心から感謝しています。

・常に新しい価値を提供する事を考え、思い付いたサービスをどれだけ提供し続けるか?

上記の要望の部分と似ていますが、例えご要望がなくても、自ら常に新サービスの開発を怠ってはいけません。

毎日利用者の立場に立ち、不便なところはないか、声にはないが求めているものは何か?など、利用者や従業員を見ながら考えていく事が非常に重要です。

常に学童保育の質を高めていく事を忘れずに、日々を過ごしてもらえたら、自ずとブランドが構築されていくと思います。

 

ブランドを構築することができると、何が起こるか?【自社の理念に共感したファンの方が集まりやすく、また現在の利用者の方々が口コミで良い噂を広めて下さいます】

 

上記の事をコツコツと行い、ブランドができてくると何が起きるのか?

・自社の理念に共感したファンの方が集まりやすくなる。


・現在の利用者の方々が口コミで良い噂を広めてくれる。

と言うことが起きてきます。
解説をします。

・自社の理念に共感したファンの方が集まりやすくなる。

良い評判が立ちブランドができていくと、その学童の思いや内容に共感した方々が、自然と集まって来てくれるようになります。
それはすなわち、ファンになってくれる方々が集まって来てくれると言うことです。
そうなりますと、入会の確率は上がりますし、また入会後の継続率も上がってきます。

また自社が仮にミスをしたとしても大事にはならないようにしてくれますし、更に自施設の成長に大きく繋がる色々な意見や要望を話してくれます。

更には下記に書きますが、自ら様々なところで口コミを広げてくれます。
そうなるとまさに大応援団。

その様な方々を増やしていきたいものです。

・現在の利用者の方々が口コミで良い噂を広めてくれる。

と言う事で、高い質のサービスを受け利用者の皆さんの満足度が高まりますと、それを広げようとしてくれます。
保育園や幼稚園で、あるいは友人から親族まで、あらゆる所で自社の学童を広げてくれます。

過去のブログ、「民間学童保育の集客方法について」にも書きましたが、私の経験の中で、この口コミが一番威力のある集客であると考えます。
この応援団を増やす努力を、怠ってはいけません。

そうしてもらえる様、毎日努力をしていきましょう。

 

まとめ・結論【ブランド構築は、信頼の積み重ねからしか生まれない。】

 

と言う事でまとめの結論です。

ブランド構築は、信頼の積み重ねからしか生まれない。

と私は考えます。

日々のサービス提供の努力、利用者の利便性を常に考える、柔軟な姿勢で対応する。
⬇︎
そうする事により、学童保育の質が上がる。
⬇︎
いつの間にか御社の大応援団が出てきてくれる。
⬇︎
その事により、事業が更に良い方向に回る。

この繰り返しを行う事により、結果ブランドが構築されていく。
これが自然な姿であるかなと考えます。

ブランド構築は一日してならず。

頑張って下さい。

 

※追記:公設民営学童保育のブランディング(ブランド構築)についての私の考え【結論、ブランドは構築しづらいです】

※2020.2.26追記

 本文投稿後になりますが、追加でお話しをしたい事がありましたので追記をさせて頂きます。

公設民営の学童保育のブランディングについての、私の考えをお話ししたいと思います。

私の結論は、以下の二点になります。

・売上の対象は利用者ではなく自治体になります。ですので保育の中身、質よりも事故やトラブルを起こさない事が最大のブランディングになります。

・結論、ブランドは構築しづらいです

以下で説明します。

・結果、売上の対象は利用者ではなく自治体になります。ですので保育の中身、質よりも事故やトラブルを起こさない事が最大のブランディングになります。

公設民営学童は自治体からの委託費が売上になるビジネスモデルです。
ですので直接の売上の対象が利用者ではなく、委託を受けている自治体と言うことになります。

と言う事は、ブランドを構築する対象は自治体へのブランドという事になります。

その自治体に対するブランド構築は大きく二点。

・事故、トラブルを起こさない企業

・自治体の要望に沿った学童運営ができる企業

という事になります。

これらのブランド構築ができますと、運営委託の継続率は高くなりますし、2件目の入札も獲得しやすくなります。
更にブランディングが進みますと、入札前に直接委託のオファーがある場合も出てきます。
自治体としては、怪しい初めての企業より、実績のある企業に頼みたいのは当たり前です。

いわゆる役所は前例の踏襲を好みます。
自治体に安心感、安定感を感じてもらえるよう、ブランド力を高めていきましょう。

・結論、公設民営学童でブランドは構築しづらいです

では公設民営学童で、学童保育のサービスや内容そのものでのブランディングはどうしたら良いか。

結論、保育の中身でのブランド構築はしづらいと考えます。

以前、「公設民営学童のプロポーザルの流れ・方法」の回でも書きましたが、自治体が委託会社を選ぶ時、保育の中身はあまり重要視していないと私自身は感じました。

これよりも過去の実績や財務状況を見られていたと感じましたので、保育の中身で勝負をした企業や事業主の方は、やはり民間学童保育で勝負をするべきだと思います。

以上が私の考える結論になります。

参考にして頂けたらと思います。

以上、追記でした。