「年上のベテラン職員が、新しい方針に協力してくれない」
「少し注意しただけで若手がメンタルを崩し、辞めそうになっている」
「生意気な発言や提案ばかりしてくる若手の扱いに困っている」
保育園の園長や主任、学童保育の施設長といった「現場の中間管理職」の前に立ちはだかる最大の壁。それが、この「世代間のギャップが生む、現場のマネジメント問題」です。
上層部からは「現場をまとめろ」と言われ、下からは「私たちの気持ちを分かってくれない」と不満をぶつけられる。誰にも相談できず、孤独に潰れそうになっている現場リーダーは少なくありません。
私はこれまで、現場のプレーヤーから施設長、独立して民間学童保育の経営、そして計17施設・260名以上の職員を統括するマネージャー(SV)まで、すべての立場を経験してきました。その中で確信したことがあります。
多様な世代をワンチームにし、最高の現場を作るために必要なのは、カリスマ性や強い権力ではありません。
現場リーダーの「大前提のスタンス」と「相手に応じた関わり方のスイッチング(切り替え)」です。
今回は、私が現場で培ってきた、現場を劇的に変えるための具体的なリーダーシップ論を忖度なしでお伝えします。
■ すべての土台:現場リーダーが持つべき「4つの絶対前提」
具体的なテクニックの話に入る前に、現場リーダーが絶対に脳裏に焼き付けておくべき思想があります。ここがブレていると、どんな対話術も「ただの誤魔化し」として見透かされます。
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若手だろうがベテランだろうが、100%の尊敬の念を持つ 「最近の若い子は…」「あのベテランは頭が固い…」という愚痴は今すぐ捨てた方がいいです。どんな職員にも、必ず「得意なこと(強み)」があります。そこを見つけ、リスペクトし、活かすのがリーダーの仕事です。
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「徹底的な敬語」を貫く 今の時代、職場で「あだ名」や「ちゃん付け」で呼ぶのは論外であり、リスクでしかありません。距離感が近すぎる「馴れ合い」は、必ず派閥や甘え、人間関係の歪みを生みます。プロの集団として、全員に敬語で接してください。
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「役職」は、ただの役割。偉いわけではない 主任や施設長は、単に「マネジメントという役割」を担っているだけであり、人間として偉いわけではありません。むしろ、価値を生み出している「現場の最前線こそが一番偉く、尊い」という感謝の念を忘れてはなりません。
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「意見を聞く」フラットな関係の構築 現場が一番尊いからこそ、リーダーは自分の意見を押し付けるのではなく、常に「現場の意見を聞き出す」フラットな関係性を築く必要があります。
この前提に立った上で、「ベテラン」と「若手」への具体的なアプローチを切り替えていきます。
1. 【動かないベテラン】「指導」を捨てて、下から「頼る」
自分より年齢が上で、現場経験も長いベテラン職員。彼らが新しい方針に非協力的になるのは、単に意地悪をしているからではありません。「自分のこれまでのキャリアやプライドが否定された」と感じる恐怖や反発があるからです。
年上のベテランに対して、リーダーという立場を傘に着て「指示」や「指導」をしようとするのは最悪の手です。
私が実践し、最初は拒絶感を示していたベテラン職員を強力な味方に変えたアプローチは、【年齢とキャリアを徹底的に尊重し、下から頼る】という手法です。
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「〇〇先生のこれまでのご経験が必要なんです。ぜひ力を貸してください、協力をお願いします」
このように、対話を避けずに下から頭を下げて巻き込んでいきます。 また、どうしても現場のルールや方針に反する行動があり、伝えなければならない時は、絶対に「個人批判(〇〇先生のそこがダメです)」をしてはいけません。
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「これはチーム(園・施設)全体の方針として統一したいので、ご協力をお願いします」
主語を個人ではなく「チームの方針」にすり替えて伝えることで、相手のプライドを傷つけることなく、プロとして動いてもらうことが可能になります。
2. 【すぐ折れる若手】「心理的安全性」の確保と「逃げない覚悟」
一方で、ちょっとした指導で自信をなくし、理想と現実のギャップですぐにメンタルが折れてしまう若手職員。彼らに必要なのは、厳しさではなく「圧倒的な心理的安全性」です。
私が若手と向き合う際、以下のステップを徹底しています。
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「居場所の保証」とメッセージ 「あなたはここにいていい」「どんな意見を言っても絶対に批判されない」というメッセージを、言葉と態度で伝え続け、チーム全体にもその空気を浸透させます。
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「折れる前」の徹底的なフォロー体制 「不安なまま仕事を進めさせない」ことが鉄則です。任せた後に丸投げせず、随時進捗を確認し、「折れそうになる前」に相談してもらう約束を交わします。わからないことがあれば、何度でも同じ目線で説明する姿勢を示します。
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小さな成功を「大袈裟に全員の前で」褒める 本人が「自分はここに必要とされている」「役に立っている」と実感できるよう、どんなに小さな一歩でも、他の職員がいる前で大袈裟に称賛します。
そして、若手育成において上司・経営者として最も重要なマインドはこれです。 「私はあなたから絶対に逃げない。徹底的に向き合う」という姿勢を背中で示すこと。
若手が自律していくまでの期間は、人によってバラバラです。すぐに育つ子もいれば、時間がかかる子もいる。リーダーが「あの子はもう無理だ」と諦めて逃げた瞬間、若手は見抜いて辞めていきます。育つまで何回でも付き合う、という「リーダー側の覚悟」こそが、最高の離職防止策なのです。
3. 【生意気な若手】押さえつけない。彼らこそが組織を発展させる「宝」である
そしてもう一つ、現場リーダーを悩ませる「若手」のタイプがいます。 それは、鼻息荒く「出世したい」と表明したり、「業務改善案」を次々に提案してきたり、新しいシステムやサービスの導入を求めてきたりする、いわゆる「生意気に見える若手」です。
多くのリーダーや先輩職員は、こうした若手を「調子に乗っている」「現場のやり方もまだ分かっていないくせに」と煙たがったり、無視したり、最悪の場合は「鼻を折ろう」と押さえつけたりします。
断言します。それはリーダーとして大失策です。
旧態依然としたやり方に疑問を持ち、現状を変えようとするエネルギーを持っている「生意気な若手」こそ、組織を次のステージへと引き上げる最高の「宝」なのです。彼らを潰す組織に、未来はありません。
こうした尖った若手のエネルギーを組織の発展に変えるため、私は以下のマネジメントを徹底しています。
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感情的に否定せず、まずは「アイデアの熱量」を100%受け止める 「まだ早い」の一言で片付けず、まずは「組織を良くしようと考えて提案してくれた行動」そのものを高く評価し、感謝を伝えます。
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「批判者」ではなく「当事者」としての役割(責任)を与える 口先だけの批判で終わらせないために、「面白いね。じゃあ、まずは〇〇先生がリーダーになって、テスト運用プランを立ててみてくれる?」と、実際の権限と責任をセットで渡します。
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失敗しても、打席に立ち続けさせる 新しい挑戦には失敗がつきものです。もし上手くいかなくても「ほら見たことか」と責めるのではなく、どこに無理があったのかを一緒にロジカルに分析し、「次の改善案」を出させます。
生意気な言動の裏にあるのは、「貢献したい」「成長したい」という強い欲求です。リーダーの役割は、彼らの鼻を折ることではなく、その強力なエネルギーがチームの推進力になるように「交通整理」をして向き合い続けることです。
彼らの熱量を受け止め、育てる覚悟を持つこと。これこそが、離職率を下げるだけでなく、組織そのものを劇的に発展させる唯一の方法です。
結論:中間管理職の皆さん、孤独にならないで。覚悟を決めてフラットに泥をかぶろう
「動かないベテラン」も「すぐ折れる若手」も、そして「生意気な若手」も、アプローチの入り口が違うだけで、目指すゴールは同じ「子どものための良い現場づくり」です。
役職というただの役割に縛られず、現場へのリスペクトを持ち、ベテランには敬意を持って頼り、若手には逃げずに泥臭く向き合い、尖った才能は盾となって活かす。このフラットなリーダーシップこそが、ギスギスした現場を劇的に変える特効薬になります。
いま、現場の板挟みで孤独に悩んでいる園長・主任や施設長の皆様。あなた一人でその重圧を抱え込む必要はありません。
私の研修では、こうした「明日から現場の職員に使える具体的な声かけのフレーズ」や「世代別の巻き込み型マネジメント」のロープレを交え、現場リーダーの皆様が自信を持ってチームを率いられるよう、泥臭いノウハウのすべてをお伝えしています。
お仕事ご依頼・お問い合わせフォーム: [https://forms.gle/sizvWMEnKQrmmLD96]
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