保育コンサルタントの杉江です。

さて今回は、【民間学童保育は保育業界の中で従業員のメンタル安定が最強説】ということについてお話をしていきたいと思います。

本ブログ(著者・杉江)の具体的な信頼性は以下になります。

  • 保育士を取得後、20年以上にわたり保育事業に従事している。
  • 民間学童保育を創業し、5年間経営者として事業に携わる。(アフタースクール寺子屋 目黒区碑文谷3-1-4-16)
  • 民間学童経営者として、5年間で登録者数2名→100名、通期黒字化を達成する

私は今まで、

・社会福祉法人の保育園

・公立の学童保育・児童館の一般職員

・社会福祉法人の保育園の一般職員

・公設民営学童保育の施設長、副施設長

・民間学童保育の社長

と保育関係・児童厚生関係の仕事で様々な経験をしてきました。

経験のある方はお分かりかと思いますが、保育という仕事はあまりにもメンタルが過酷です。
しかしその中で私個人のメンタルについて、前職の民間学童保育時代が圧倒的に安定をしていたなと感じています。

とにかく保護者の方々との関係が基本的には良好で、基本的には非常に好意的にスタッフに対しても温かいご家庭がほとんどでした。
また従業員もそれぞれやりたいことをやることができ、生き生きと働いてくれていました。

なぜメンタルが安定していたと感じたのか?
今回は今まで私が感じた考えをまとめて、私自身の独断と偏見に基づき話をしていきたいと思います。

民間学童保育のメンタル安定最強説の理由①【ご家庭は入会時に選んで入ってきて頂いているので、その入会時点で好意的である。】

 

このメンタル安定最強説の大元になることがこの事になります。
公立の学童保育や保育園に入会するご家庭は、その施設の中身を全て理解をして入ってくるわけではありません。
たまたまその場所に公立の学童や保育園があるから、その施設に入ったという方がほとんどだと思います。

しかし民間学童保育は、集客の難しさは一旦置いておいて、自施設の中身や働くスタッフ等を全て理解した上で入りたいと思っていただいている状況になります。

一言で言うと、ファンになっていただいている。

その上で入っていただいていると言う状況は、施設を運営する側にとって精神的に大きなメリットになることになります。

もちろんご入会後に私たちの対応によっては不信感を抱かれることもあるかと思います。
しかし大きな問題も起こさず、仮に間違った対応してしまった場合には誠心誠意謝罪するなどの誠実な対応していけば、基本的には好意的こちらを思っていただける場合が多いと思います。

「とりあえず学童に入れる必要があるからたまたま近くにあった公立の学童に預けている」

「場所が少し遠いけれども、この学童にぜひ預けたい」

この差はとても大きいと個人的な感じます。
そういった方々に囲まれて保育をする現場は、従業員にとってメンタルが非常に安定してくると思います。

民間学童保育のメンタル安定最強説の理由②【学童保育に対する意識が高い。ただ預けるのではなく目的を持って預けて頂いているので、こちらの内容にも理解して頂けるし心が通じやすい。】

 

民間学童保育へご入会の方は、希望の学童を自ら探し、目的を持って入られてきています。
ですのでそもそも学童保育に対する意識が高いご家庭がほとんど。
こちらのカリキュラムや保育内容などにも関心が高く、私どもが行っていることにも理解をしていただけることが非常に多かったです。

また私たちの立場に立ってご意見を頂いたり、お願いしていないにも関わらず、私たちのことを助けてくれたことも何度もありました。
その度に、大きな感動を覚えたものです。

もちろん、厳しい意見も幾度となく頂戴することもあり、その時にはメンタル的に落ち込むこともありました。
しかし基本的には自分たちを成長させてくれる機会だと捉え、実際に大きくパワーアップをすることができました。

落ち込んだ後も最後は自分たちの成長を感じることができたので、結果としてはメンタルがさらに強化された感覚がありました。
ですので私たち運営側のメンタルも安定していることが多かったです。

民間学童保育のメンタル安定最強説の理由③【お互いにサービス業だという認識でお金をお支払い頂いているので、割り切って対応ができる。嫌であれば、辞めることもできるし辞めてもらうこともできる】

 

これは賛否両論あると思いますが、私は民間学童の経営者となった時からずっと従業員に言ってきたことがあります。それは、

我々は、保育・教育のサービスを提供するサービス業に従事しているのである

と言うことです。
ですので、ご入会のご家庭は、「お客様」と言う位置付けになります。

それは当然です。

そのご入会してくださった皆さんの保育料から自分たちの給料が出ているので、そのことを全従業員が理解をし、毎日の運営にあたっていました。
学童保育を行う中で、そのお客様である保護者からは、毎日様々なご意見・ご要望があります。
その要望には基本的に全て向き合いながら、サービスを磨き、顧客満足度を上げ、常連として長く通っていただく・・・この流れは自然な流れです。

従業員も、要望に応えて顧客満足度を上げたい、お役に立ちたい。
保護者も、わざわざ民間学童に入れたのだから、より良い教育や保育を我が子に与えたい。

双方が立場をはっきりとさせた上での関係になりますので、お互いに割り切ったわかりやすい関係性がメンタルを安定させてくれるのだと思います。

保護者は嫌であればいつでもやめることができるし、また極端な話学童側もご家庭に辞めてもらうこともできてしまいます。
そう言ったある種の緊張感もあり、また割り切った関係も、メンタル的には良い方向に出ていくのだと思います。

民間学童保育のメンタル安定最強説の理由④【補助金をもらっていないので運営の自由度が非常に高い。自分たちのやりたいことにチャレンジできたりとクリエイティビティを発揮できる】

 

私は保育施設において、従業員がモチベーション高く生き生きと働くために最も重要なことの一つとして、

「クリエイティビティ」を発揮できるかどうか、だと考えています。

以前のブログ、公設民営学童・民設民営学童(民間学童)の違いでも書きましたが、
自治体からの委託を受けた学童は補助金をもらっているためにクリアエティビティが発揮しずらく、基本的には自治体の方針の沿った形での運営を求められます。
しかし民間学童は補助金をもらっていないため、運営について他から口出しをされることがありません。
そのため基本的には、指導員のやりたいことが叶いやすい環境にあります。

もちろん自分で考え、責任を取ることは苦しいことではありますが、
以前私が経営をしていいた民間学童では、従業員は様々なことにチャレンジをしていて、楽しそうに働いていました。
そういった意味で民間学童では、メンタル的にやりがいを持って働くことができる環境であると思います。

まとめ【運営時の従業員のメンタルだけを考えたら民間学童は最強。しかし公設学童とは違う厳しさもある。】

 

今回は、従業員のメンダルの安定と言う事だけに焦点を絞ってお話をしました。
その中でも、私が民間学童がメンタル安定は最強だと言うことはお分かり頂けたのではないでしょうか?

しかし、民間学童には公設の学童とは決定的に違う苦しさがあります。それは、

売り上げ・利益を上げること。そのためにやらなくてはいけないこと。

ということになります。

日々の運営の中で民間学童の従業員は、

・学童のサービスの質を上げていく

・今いる顧客満足度を上げていく

・集客をする(ポスティングやビラ配り、説明会の開催など)

・毎月の売り上げの確認

・倒産の可能性

これらのことを常に意識しながら、向き合い、実行をしています。
総合して言うと、今回もお話ししましたが、保育をビジネスとして捉え行動をしていくと言うことです。
これは、公の仕事として慣れきっている方には非常に厳しい環境だと思います。

どちらがいい、悪いはありません。
ご自身に合った環境で働くと言うことが大切になってくるかと思います。

と言うことで今回のお話が、現在保育関係で働いている方への、何か参考になれば嬉しく思います!