保育コンサルタントの杉江です。

さて今回は悩まれる方が多いと思われる、【民間学童保育の集客方法について】についてお話をしたいと思います。

本ブログ(著者・杉江)の具体的な信頼性は以下になります。

  • 保育士を取得後、20年以上にわたり保育事業に従事している。
  • 民間学童保育を創業し、5年間経営者として事業に携わる。(アフタースクール寺子屋 目黒区碑文谷3-1-4-16)
  • 民間学童経営者として、5年間で登録者数2名→120名、通期黒字化を達成する

 

改めて私は、前職で創業した民間学童保育「アフタースクール寺子屋」で、

5年間で登録者数を2名→120名まで増やしたという経験があります。

その過去に実践してきた「効果があった集客方法」を具体的にお伝えし、さらに「やらなくていい集客方法」もお伝えいたします。
参考になりましたら幸いです。

年間計画を作る【月ごとに集客戦略を立てて実践していく。】

 

まずは年度ごとに年間計画を作ります。
具体的には、月ごとに何をやるのか?を決めていく作業です。
これを先に決めておくと、次月に何をやるのかが明確になり便利です。

また、先々の学童保育イベントを決めていく際も参考になります。

という事で今回、私が具体的に計画書例を作成してみました。
必要だと思われた方は、こちらを参考に自社でオリジナルを作成してみてください。

4月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・ポスティング

5月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・駅前でチラシ配布・体験イベント(自社カリキュラム)

6月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・ポスティング・保育園/幼稚園への営業

7月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・駅前でチラシ配布・体験イベント(自社カリキュラム)

8月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・ポスティング・夏祭りイベント

9月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・駅前でチラシ配布

10月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・ポスティング・ハロウィンイベント

11月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・駅前でチラシ配布・小学校の入学説明会後のチラシの配布

12月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・ポスティング・クリスマスイベント

1月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・駅前でチラシ配布・お正月イベント

2月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・ポスティング・体験イベント(自社カリキュラム)

3月:説明会(月1回)・施設見学(随時)・駅前でチラシ配布

以上、計画例となります。

必ずやるものから、季節のイベントなどを取り入れ選択肢を増やし、保護者の方が参加しやすい状況を作り出すことが重要です。
ぜひオリジナルの計画書をしっかりと作って、実践に向けて準備をしていってください。

以上、計画を立てましたら、早速実際に宣伝活動を行っていきましょう。

 

ブログやウェブサイト等の自施設の情報の発信【基本はウェブから。自施設が楽しそうと思ってもらえるような発信を。】

 

こちらは開業前から開業後も、積極的に行っていきましょう。

具体的な方法は、

1・ウェブサイトにワードプレスを埋め込んでいただき、自施設のイベントの様子などを発信する。

2・ブログなどを別で立ち上げ、発信をする。

3・その他SNSを使い発信をする。(twitterなど)

主に上記三点になるかと思います。

お勧めは1のウェブサイトにワードプレスを埋め込んで頂く方法で、こちらですとウェブサイトを訪問した時に施設の様子などもご覧いただけるので、非常に有効かと思います。

そこに必ず入れて欲しいのは、子ども達や施設の写真。
そういった写真をふんだんに使い、施設の楽しい雰囲気をアピールしていきましょう。

しかしここでウェブを使っての情報発信の際の最大の注意点をひとつ。

写真を使用する際には、必ずご家庭に使用許可を取ってください。

おすすめの方法は、まずご入会の際に用紙を作っておいて、そこにサインを頂く方法です。
そこで必ず許可を得てから掲載してください。

もちろん、掲載不可の方のお写真は絶対に載せないようにお願いいいたします。

現在においてはプライバシーの保護は非常に重要な事項になります。ここは絶対に手を抜かないでください。

また、「説明会」や「施設見学」のお知らせもウェブサイトのわかりやすい場所に載せて、常に情報を更新をしていきましょう。
ウェブサイトを見た方がすぐに申し込みや問い合わせ、資料請求ができるような作りにしておくことが大切です。
興味を持った方を逃さないよう、分かりやすいサイトを作りましょう。

ご参考までに、私の創業をしました学童保育、アフタースクール寺子屋のウェブサイトの中にある、NEWSコーナーをご覧ください。

https://schoolterakoya.com/news/

 

説明会・体験イベントの開催【押しの営業はやらない方が。引きの営業でお客様に選んで頂ける営業を。】

 

こちらは非常に重要です。

まずは開催日ですが、私の前職であるアフタースクール寺子屋では過去に、
・毎週金曜日の午前中開催
・毎月最終日曜午前中を基本に月に一回開催

のペースで行っていました。(全て私が担当をしていました)

7年間で200人以上の保護者様に説明をしてきた私の、個人的な説明会のポイントをひとつ。

押しの営業トークはしない方が賢明です。

説明会などで保護者様へお話をする際、話をされる方は、

「うちの学童は最高の学童ですよ!なので絶対にうちに入ってください!お願いします!損はさせません!」

と言いたくなる衝動にかられると思います。

お気持ちは良くわかります。
並々ならぬ思いで創業をし、一生懸命に宣伝活動をし、ようやく来ていただいた方へ話をされるのですから。

でも個人的にはこういった押しのトークはお勧めできません。

皆さんは、どこかのサービスの営業を受けた際、担当の方にものすごい圧で
うちのサービスは最高ですよ!なので絶対にうちに入ってください!お願いします!損はさせません!
と言われたら、どんな気持ちになりますでしょうか?

私自身も好きではないですし、それを大切な見学に来て頂いた方に行うこと自体、引かれてしまうリスクがあります。
ですのでここはぐっと堪えて、重くならないような営業をしてください。

ちなみに過去の説明会で私が毎回行っていたトークは、

・どうぞ、他の学童さんにもご見学に行って下さい。

・今は学童保育もたくさんあり、それぞれ特徴があります。大切なお子様の放課後のお時間をどのように過ごされるか、一番合った学童をお選びください。

・もちろん私たちのところへ来てくだされば嬉しいですが、一番はお子様のことを考え選んでください。

ということを必ずお話をしていました。

少し考え方を変えて保護者様の立場になってみると、まだ迷っている商品やサービスを、押し売りされたくはないですよね。
自分自身もそれは嫌なので、押しの営業はぐっとこらえて、絶対にしませんでした。

ですので、自社のサービス内容に自信を持って、他の学童への見学をお勧めしてください。
自社の学童が素晴らしいものだったら、何件見学に行かれても戻ってきて下さいます。

逆に、どこか違う学童保育にご入会なったとしても、そのご家庭が幸せになるのであったらそれはそれで良い事ではないでしょうか?
そのくらいおおらかな気持ちで説明に臨まれる方が、最終的にはご入会率が上がると個人的には強く思います。

おおらかに、しかし気持ちは熱く。
説明会・イベント頑張ってください。

 

近隣へのチラシのポスティング【一定の効果はあり。一家庭三回はチラシを届けたい。】

 

続きまして近隣へのポスティング。こちらも非常に地味な作業になってまいりますが、過去7年間私が行ってきた経験からすると、一定の効果があったものですのでお伝えをします。

私自身の経験から言いますと、
5~600枚に1件問い合わせが来ればかなり良い方かなという感覚があります。
大きな効果とまでは言いませんが、一定の効果はあったという感触です。

では実施方法を具体的に書きます。

・時間があるときは毎日でもやる。
→身体と時間があればいつでもできます。頑張ってください。

・地図を作成し、配ったルートにマーカーをつけながら行う。
→配り忘れがないように、また重複して配らないように地図をプリントアウトして持って行ってください。

・チラシとともに、イベントお知らせを挟み込み宣伝をする。
→イベントをお知らせするチャンスです。イベント用チラシを同封してください。

・立ち入り禁止のマンションなどには絶対に入らない。また、チラシお断りの家には絶対にチラシを入れない。
→近隣の方々にご迷惑になるような行為は絶対にやめましょう。何も表示がなくても、管理にさんや住人の方に注意をされたら、すぐに謝罪をし立ち去りましょう。

この学童保育事業というのは、地域に密着し、地域に認められて成り立つ商売です。
繰り返しになりますが、迷惑となるポスティングは絶対にやめましょう。

はっきり申し上げて、夏は暑く冬は寒い、非常に地味で辛い作業です。
やっていると、「ああ、自分は何をやっているんだろう」と、孤独感にも苛まれます。

しかしたとえ反響がなくても、地域の皆様に知っていただく為にご挨拶をしているということだけでも、非常に意味のある行為だと思います。

ちなみに、私が前職の代表時代には、約7年の間に数え切れない枚数をポスティングさせていただきました。
昨年度でいうと、私自身普段の業務を行いながら半年間で4学校区、5,000枚以上を一人で配りました。
皆さんも是非この位を目安にチャレンジして頂くことをお勧めします。

最後にちょっとしたお話を。

他の塾系の経営者の方に聞いた話ですが、ポスティングのチラシは一回配って終了ではないとのこと。
二回、三回配って初めて、チラシを認識して頂けるのだそうです。
私をそれを守って、最低三回は全地域に配っていきました。

一回、二回で反響がなくても、地道に行うことが大切だということです。
皆さんも是非頑張ってポスティングを行ってください。

 

チラシの駅前での配布/小学校前での配布【一定の効果はあり。今回の中では一番過酷な宣伝活動。】

 

こちらもポスティングと同様に、過去に効果があったものです。

私の感覚ですと、
100人に一人くらいは止まって話を聞いて下さる方もいらっしゃると思います。
そうした時には全力で思いを伝えてください。

具体的な実施方法は、

・近隣の駅前で、帰宅時間を狙ってチラシを配る。

・学校説明会後の小学校前で、子ども達、もしくは保護者の方にチラシを配る。

ということになります。

こちらもポスティング同様、迷惑になるような行為は絶対にやめてください。
利用者の邪魔にならないことはもちろんのこと、注意をされてしまった場合にはすぐに謝罪をし、立ち去ってください。
もし本格的にやりたい場合には、警察署に行って道路の許可を取ってから行ってください。

また、小学校前でのチラシの配布にも十分気をつけてください。
こちらも全く同じことで、利用者の邪魔にならないことはもちろんのこと、注意をされてしまった場合には、すぐに謝罪をし、立ち去ってください。

以上のことを守っていただけましたら、効果は一定数期待できるかと思い、お話をしました。

こちらはポスティング以上に、非常に地味で苦しい活動です。
配布物がチラシなので、まずはほとんどの方に無視をされると思います。

時には厳しい言葉もかけられるかもしれません。
また駅頭で大きな声を出すことに、恥ずかしさを感じるかもしれません。
しかしこんなことでめげていては成功への道はありません。

チラシ配布、頑張ってください。

 

保育園、幼稚園へ営業【一番効果が有る宣伝活動。年一回は行う事をお勧めします。】

 

続いては、タイトルの通り、他施設への営業活動です。

こちらをなぜ行うのか?

・学童保育の潜在顧客がいる施設が保育園(幼稚園)であるからです。

来年・再来年に・学童に入る子ども達がまさにそこに集団でいる。
ここに営業しない手はありません。

そしてこれは私の経験と感覚になりますが、
他の営業活動に比べ、圧倒的に労力に対してリターンが大きい活動であると感じています。
ですので実施をすることを強くお勧めします。

具体的な実施方法は、

・近隣の保育園・幼稚園の連絡先を調べる。

・電話でアポイントメントをとり、パンフレットを置かせてもらえるか、配布をして下さるかを聞く。その際は可能部数も聞く。

・可能な園に伺い、パンフレットをお渡しする。

という順序になります。

ポイントとして私自身もそうだったのですが、B to Bの営業経験のない、特に保育業界にしかいなかった方は、一見とてもハードルが高い行為に思えます。
未経験だった私もまさにそうで、最初の電話をかける前は非常に緊張をしたのを覚えています。

しかし、恐れることはありません。

もちろん営業ですから非常に冷たい対応をされることもあります。
しかし多くの保育園では話を聞いてもらえました。
それは保育園に関しましては基本的なコンセプトや顧客が同じということがあるかと思います。

(私の経験ですと、幼稚園の方がやや置かせてもらえる園が少なかったように思います。教育分施設と福祉施設では、やはり学童に対する捉え方が違うのだとその時は思いました。)

ここで注意点ですが、こちらも他の活動と同様に、園に迷惑になる行為はご法度です。
特に営業をかける時間は、保育園・幼稚園ともにピーク時は避けてください。

特に朝の迎え入れの時間、お昼や夕方の引き渡しの時間は避けましょう。
となると、午前中の10時くらいからお昼前までのお時間で営業をかけるのが無難かなと思います。

また、直の営業は避け、必ずアポイントを取ってから園へ向かいましょう。
そして「忙しいので」と言われたら、すぐに電話は切り、後日かけ直して下さい。

繰り返しになりますが、潜在顧客にダイレクトに営業ができる少ない機会になります。
最低でも年に一回は行ってパンフレットを置かせて頂きながら、顔を売って頂けたらと思います。

 

資料請求のセットを作り、ウェブサイトで受付【ハードルを下げて営業ができるのがメリット。待ちの営業。】

 

こちらは待ちの営業になりますが、ウェブサイトには必ず「資料請求」のフォームを作ってください。

こちらでご希望の方には自施設の資料のセットをご送付します。

こちらのメリットは

・興味を持っているが見学などはハードルが高い、というお客様に、ハードルを下げて営業ができるところ、
に意味があります。

事前にセットな様を決めておき、何部か組んでおくのが良いでしょう。

セット内容は随時更新し、イベントのお知らせなどその都度最新の情報を届けるように心がけるのが良いと思います。

ちなみに、私の創業したアフタースクール寺子屋の、資料請求フォームを載せておきます。
どうぞご参考にして頂けたらと思います。

https://schoolterakoya.com/contact/req/

 

宣伝活動でやらないこと【ネット広告、SEO対策、駅広告などは負担が大きいので要検討を。】

 

続きまして、やらない方が良いことをお話しします。

結論から申し上げると、

お金がかかる宣伝方法は、避けた方が無難です。

特に開業当初は非常にお金がかかります。
いきなり定員いっぱいのご入会があることは考えにくいので、
赤字に耐えながら少しずつ会員を増やしていくイメージなります。

幸いにと言いますか、開業当初は特に会員数も少なく、はっきり言って時間はあると思います。
ですので、全体的には宣伝はなるべくお金をかけないで、時間と身体で勝負というスタイルを取っていくことをお勧めします。

ちなみに私ですが、過去開業当初に、年間数百万円の宣伝費をかけたこともありました。(リスティング広告・専門家によるSEO対策・駅広告・他のウェブサイトへの広告の出稿など・・・)

しかし全く回収できず、頭を抱えたものです。
皆さんはこうならないよう、なるべくお金をかけない方向で考えいきましょう。

 

事業内容の見直し・修正・追加。【日常のサービス・スタッフ対応が集客に繋がっているかを検討する。】

 

続きまして宣伝活動以外のお話を。

集客で大切なことは、宣伝物や宣伝活動だけではありません。
日々のサービス、対応も集客に非常に影響をしてきます。

・毎日、質の高いサービスの提供をする

・毎日、質の高いスタッフ対応をする

・毎日、お客様のご要望に耳を傾け、柔軟な対応をしながら改善を繰り返す。

これらを日々丁寧に繰り返すことで、学童保育全体の質を上げていきます。

結果、

・「毎日が楽しい」

・「困った時には助けてくれる」

・「要望を出したらすぐに検討してくれる。動いてくれる。」

など、信頼感が上がります。
そうしますと、どんどん良い方向に転がっていき、集客につながります。

質の上げ方やブランド力を上げる方法などは、また別の日に詳しく書きたいと思います。

 

最強の集客ツールとは?【それは口コミです。】

 

最後になりますが、最強の集客ツールをご紹介します。それは、

 

・口コミです。

 

 

はっきり言いまして、どんなにお金をかけたプロモーションより、圧倒的に効果があります。
細かくは測ることはできませんが、口コミを聞いた方のご入会率は、とんでもなく高いはずです。

インターネットが発達したこの社会においても、口コミに勝るツールはないと、改めて思います。
実際に、私の創業したアフタースクール寺子屋でも、現在も口コミやご紹介で入る方はかなり多いです。

そして大変ありがたいことですが、通っていただいた方の中で、自ら自社の学童を紹介してくださる方が毎年何人もいらっしゃいます。
そういったことがわかった時は本当に嬉しいものです。
自社の学童に信頼感を持ってくださり、広めて下さったという事実に、毎回感動いたします。

そこまでの信頼を勝ち取るのは本当に大変です。
そしてその信頼は一瞬で崩れるときもあります。

ひたすら日々努力、それを継続して保護者様の信頼を得てください。

そして御社のファンを増やしていき、お友達をご紹介をして頂けるような、良いサイクルを作っていきましょう。

 

御社の学童保育に、たくさんの方が入って頂けますように!